犬の群れをまとめる。
2026年6月29日

先月、カンガルシェパードドッグの成犬♂、テージアが無事に来日しました。
今回もたくさんの方々の知恵と人脈とお力で、カンガル犬の輸入が完了したことに、心から感謝しております。それと同時に、この不安定な世界情勢の中で滞りなく予定通りに計画が実行されたことに、安堵しております。すべては、この計画に携わってくださっ ている方々のおかげで成し得たことです。関わってくださった全ての皆様、ありがとうございました。
さて。
今回やってきたテージア、そして約半年前にやってきたディーニャに関して、いくつかご質問をいただきました。それは、「未去勢のオス同士でも、また、成犬同士でも仲良くできるのですか?」「ウルフドッグとカンガル犬は喧嘩をしないのですか?」というものです。
この「犬同士をまとめる」ことについて私も良く尋ねられますが、その方法については育ってきた背景が未知な保護犬の預りなどをされている方が一番お詳しいかと思います。知識も経験も豊富な方が多い印象です。私も保護犬を流動的に預かったりしていましたし、自分の犬とのミスコミュニケーション連発&おまけにそれを数年間…という大失態をした過去もあり、その時の経験と反省と、そしてそこから学んだことが役に立っているのかなと思っています。
結論から申しあげますと「犬同士を仲良くさせている」のではありません。
犬も心ある生き物です。当然、好き嫌いや相性がありますし、生まれ持った性質として(生まれながらの性質は必ず存在します。咬みつく犬、攻撃的な犬を飼う飼い主さんが、その対応を悩んでいる時に「過去に虐待をしたんだろう。」「犬の嫌がることを飼い主がしたからこうなったんだ。」と断定する方がおられますが、非常にナンセンスですので、部外者は賢く黙っていましょう。)他の犬に失礼な振る舞いをする犬もいれば、引っ込み思案で自分の気持ちを押し殺してしまう犬もいます。
其々の家庭で、犬達に何をどう教えていくか、また何を求めるかによって対応は異なってくると思いますが、我が家に限って言えば、ルールは一つです。
“喧嘩をしてはならない”
ただそれだけです。
喧嘩をするような状況下に犬達を置かない、犬達をそのような心理的状況にしない、という表現が一番正しいかなと思います。犬達に、喧嘩をしないように教えて、あとは放置しておくということではありません。犬同士に任せるという方法もありますが、仕事柄1.5万頭ほどの犬達を診てきて、片方の、または双方の犬の命を奪う結果になった事態にも遭遇しておりますので、無責任に他人に勧められる方法ではありません。チワワのような小型の犬であろうが、同体格の犬の眼球を引っ張り出して噛み砕くことくらい簡単なのです。興奮して我を忘れた、戦う犬の姿は壮絶です。そして結果は悲惨です。
この「喧嘩」というのは争いごとで、先日ブログにも書いた「所有欲」や「自己主張」が根底にはあるものです。それにより気持ちが高ぶり、乱れ、興奮となり、簡単に言うと「頭脳がそっちのけ」になります。そうなると、もう飼い主の声は届きません。どんなにトレーニングをされた犬であっても、です。
犬は犬であること。
犬はどのような行動をとる生き物なのか。
それを理解せず、人の願望や理想を当てはめて犬の行動や心理を解釈しようとすると、犬を苦しめる結果となります。私も、自分の犬に対しての理想はありますが(いつも落ち着いていて平常心でハッピーで、私の言うことを完璧に理解してほしい、とか笑)、無理です。犬は人ではないからですね。
我が家の犬達も、条件がそろえば「やる」犬です。
もともと、家畜防衛のために残ってきた犬種、戦争時に軍用犬として開発された過去がある犬種です。初顔合わせの者が仲良くやっていきましょうの精神を求められて作られた犬ではありません。この点では、犬種の成り立ちから、レトリーバーなどの鳥猟犬は新参者へのキャパシティが広い子が多い印象ですが、あくまでも正しくブリーディングされた個体に限ります。
前述した喧嘩をさせないためにどうしているかというと、我が家に限っては以下です。
・飼い主の声が届かないほど興奮をさせないこと。
・そのためには、犬に出した指示を無視さないこと。
・スペース・物品のコントロール(これは、トレーナーさん皆さん仰いますね)
だいたい、この3つが柱です。
あとは、正しく運動をし心身を整え、体には栄養を与え、衛生面に気を配ることです。
とりあえず、今日も我が家は平和です。
犬は怪我をせず、争わず、楽しく遊んで過ごしています。
それが一番、私が望むことです。
