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ブリーディング前の検査等について。

2026年3月8日

ブリーディング前の検査等について。


当ケネルは、ブリーディングの前に、親犬全ての肘関節、股関節、膝関節の

レントゲン検査と、有意義であると思われる遺伝子検査を行います。

(その結果、この個体ではブリーディングをしないという選択肢もありますのでご承知ください)


私自身、臨床獣医師を生業としておりますので、動物の動きを見れば骨格の外見(歩様や立ち姿など)から大まかな予想は立てられます。(どこが痛そうだな、使いづらそうだな、なども判ります)しかし、適切なポジショニング下の画像診断に勝るものはありません。


なによりも、第三者の、より知識のある専門医の診断を受けるということに

犬種の未来を託す価値があると考えています。


当ケネルは、中型以降の犬では問題となることの多い股関節に関しては、OFAとPenn-Hip(ペン・ヒップ)の両面から検査を行う事を現段階で検討しています。OFAの最も大きな利点は、その診断結果が血統書に記載されるという部分です。ただし、この検査方法には重大な欠点があります。


OFAの検査方法は、VD像(仰向けにして撮影した像)で股関節の関節炎や大腿骨頭の嵌りなどを診てスコアを付けるのですが、この方法だと、股関節の「緩み」の判断は非常に困難を極めます。両親犬ともOFAでは非常に良い評価だったのに、生まれた仔犬に割と重症な股関節形成不全が出たというケースは、この部分の見落としがあるのも1つではないかなと思います。実際、この緩みがある個体は将来的に形成不全に進行していく可能性が高いということも判っているため、緩んでいるかどうかを判断することが、非常に重要です。


この、股関節の緩みを判断できるのが、ペン・ヒップという検査方法です。

生後16週齢から診断が可能な検査なので、将来のブリーディングプランを考える点からも、かなり有意義な検査だと言えます。学生の頃、講義でこの検査方法の事を聞き、感銘を受けたのを覚えています。


ただし、こちらの検査方法にもデメリットはあります。

まず、日本国内にはペン・ヒップ認定医が非常に少ないということと、不動下で正しく撮影する必要があるために全身麻酔下または深めの鎮静をかける必要があることです。


私自身、仕事をしていて麻酔自体が危ないと思ったことはありませんが、そう思えるためには根拠が必要で、そのためには事前検査を受けることが大切です。と、なると、この検査を受けるためにはかなり出費がかさむことになります。正直、高額であろうが必要な検査は受けるべきですので、その点は論点にはならないだろうと感じますが…。


受けるべき検査は受け、必要な情報は開示し、犬種の健全性を守ることが、ブリーダーの役割です。我が家は犬以外の動物のブリーディングを長年にわたり行っていますが、その動物種も、必要な遺伝子検査や骨格の検査、テンパーメントテストは適宜行ってきています。


ブリーディングだけに留まりませんが、妥協してはいけない部分は必ず存在するのです。生き物の健全性に関わる部分は特に…。


次回は、この関節の話の延長線上で、大型犬のパピー期からの育成方法をお話したいと思っています。

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